”はたらく”を楽しむ

produce by 株式会社リビカル。効率よく働くこと、人生と仕事を愉しむこと、その為のテクノロジーや業務改善メソッドについて。

RPAって何?~事務処理を自動化してくれるロボットが流行っているわけ~

最近、バズワードになりつつある『RPA』

ロボティックプロセスオートメーションの略で、ホワイトカラーの仕事を私たちに替わりやってくれるロボットです。

「デジタルレイバー(Digital Labor):仮想知的労働者」とも言われています。

 

ただ、私の周りの友人や別業界の方に話すと「???」という顔をされるのも事実。まだまだ知らない方も多いのかなということで、今回はそもそも『RPA』ってなんなのかという事について、書きたいなと思います。

 

―なぜ今RPAなのか!?

 

RPAの説明の前に、現在の日本の労働市場についておさらいしてみたいと思います。

まずは、こちら2017年の4月(約一年前)の有効求人倍率です。こちらは、とうとうバブル経済期の水準を超えた瞬間です。バブル崩壊後の不況時代を生き就職難が当たり前の世代だった私にとって、衝撃が大きかったので…。

完全失業率も2.8%と低く、日本の雇用情勢は完全に「売り手市場」です。

 

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出所:厚生労働省-2017年有効求人倍率(季節調整値)

 

 

クライアントの企業先でも、みなさま「人材獲得が大変だ」とおっしゃっています

どこも、恒常的に人手が足りていない状態になっています。

 

さらに、追い打ちをかけているのが、「残業時間の上限規制」「プレミアムフライデー」「月平均残業時間の公開義務付け(2020年~)」などの政策的な後押し・・・・。

人が足りてない上に長時間働くことも難しい。

 

 

しかもこのよう中、日本の市場は既に飽和状態にあり、作れば売れる右肩上がりの状態はとうの昔に終焉を迎えている…今は、いかにイノベーションを起こし付加価値をつけた商品やサービスを提供できるかが問われる時代になっています。『モノ』から『コト』への転換の重要性もよく耳にします。

 

このように、日本は今後、より少ない人数で短い労働時間内に、イノベーションを起こし新しい価値を創り出していかなければならないのです。

もっと生産的に働くことが重要なポイントの一つになっています。

 

 

ただ、実態はなかなかともなっていないのではないかな・・・と思っております。

そう思う背景の一つに、日本の労働生産性は先進7か国の中でも極めて低いからです。

 

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出所:公益財団法人ー2016年 OECD加盟諸国の時間当たり 労働生産性

 

 

そして、何よりも私がコンサルティングに入った企業先でも「とにかく目の前の作業に追われて考えが停止してしまっているな…」と感じることがよくあることもこの考えに行き着いた要因の一つです。

 

では、これらを解決するためにはどうしたら良いのでしょうか?

 

 

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私は大きく2つの方法が重要だと思います。

 

1つめ

多様な人に働いてもらう

日本の人口は既に頭打ちで労働人口は明らかに足りていません。そこで、今まで育児や介護、自身のハンデなどにより働くことを諦めていた方々を活用することが重要です。

また、多様な方達を活用することでイノベーションが起こり今までにない付加価値を生み出せると信じているからです。

 

これは、私自身が母親であり障がいを抱える当事者としても感じています。

また、NPOの理事としてのの活動ともかかわる部分なので、別の機会に(熱量高め)に語らせてください。

www.co-co.ne.jp

 

 

 

 

2つめ

無駄な仕事(価値を生み出さない仕事)をなくす

 

私は企業のビジネスプロセスを設計しているので、よく「価値をうむ仕事」と「価値を生み出さない仕事」みたいな感じで仕事を分類します。そうすると、大体の企業で「忙しくて仕方ない」と必死でこなしていた仕事の40%~60%は、「無駄な仕事(価値を生み出さない仕事)」だったりします。それでも、やめることはできない。

そんな仕事を替わりにやってくれるのがRPAです。

 

日本の労働市場にRPAはいなくてはならない存在なのです。

 

―RPAができること

 

ちなみに、RPAがみなさんのイメージするロボットと大きく違うのは、RPAにはペッパーくんみたいな手や足があるわけではありません。産業用ロボットの様に物体としてそこに存在するわけではないのです。

あくまでもその実態はソフトウェアプログラムなので、基本的にデジタルの世界にのみ存在しています。なので、コピーを取ってくれたり、お茶出しをしてくれるわけではありません。逆にExcelデータに必要な情報を入力してくれたり、googleより指定した情報を検索、データを取ってきてくれたりします。また、指定した内容でメールを送ってくれたりもします。パソコンのデスクトップを使い、きちんと指示できるような仕事であれば基本的になんでもやってくれるのです。そして、これらの指示をプログラミングのような高度な知識や経験がなくてもシステム化できるのも魅力です。

もちろんロボットなので、24時間働けますし、疲れ知らずなので体調や気分によって仕事にムラがあったりもしません。きちんと指示をすればミスをすることもありません。

決められた仕事を決められたルールに従って24時間365日、正確にこなすのが得意なのです。

 

なので、そのような仕事はRPAに任せ、私たちはもっと、ゆっくりと悩んだり学んだり、発想し創ったり…自由に仕事をして良いのではないでしょうか。

 

そして、そのような仕事のやり方にしていかなければいけない時代がきています。

そこで、RPAに期待が寄せられているのです。

気軽に試せるのも魅力の一つで、弊社でも月50,000円~導入が可能です。

時給1200円のバイトの方に24時間1か月連続で働いていただくと90万弱なので、その差は歴然です。

 

ただし、もちろんデメリットや注意点はあります。

売っておいて言うのもなんですが、なんでもかんでもRPAを入れれば解決するわけではありませんのでご注意いただきたいです。次回はそんな話を書きたいと思います。